松久外吉のチラ裏

主に自分の趣味についてひっそりと書きます

WWDC 2014

 WWDC 2014の雑感。

 Swift。プログラミング言語を刷新とか、製品を根本から見つめ直し、スクラップ&ビルドするのはいかにもAppleらしい。記述が簡単になるだけじゃなく、最適化具合も良くなるとか。「独自言語で囲い込み」とか言ってる人もいるけど、Appleにとって、そう言うのは二の次だと思う。汎用品を作ってシェアとか業界標準を取るのではなく、あくまでより良いユーザー体験のために製品を細部までチューンし作り込む、ジョブズ父親から影響を受けた「クラフトマンシップ」に因るものだと思う。そのためにサードパーティの開発者は苦労させられるワケだがw。また、Appleを閉鎖的と批難し自由を声高に叫ぶ人たちは開発者目線で自分たちの自由を主張してるのであって、ユーザー体験を最優先に考えるAppleとは物事の優先順位が異なっている。そこを認識しないと議論が噛み合わない。ま、「閉鎖的」に「独占」が追加されると長期的に消費者の不利益になる可能性はあるけど。とにかく、「囲い込み」認定するのは他のプラットフォームがSwiftを採用するのをAppleが邪魔してからだ。でも、Swift習得の努力はObjective-Cよりも楽そうなので、囲い込み効果は薄れそう。Swiftが普及した方がAppleにとっても利益になると思うし。門外漢なので良く知らんけど、言語の壁よりフレームワークの壁の方が、クロスプラットフォームの障害になるんじゃないの?それはObjective-Cの場合と同じだし。それより既にある他の言語と同じ名前を使ってる方がヒドいと思うの。
 小飼弾さんのこちらの記事404 Blog Not Found)が言ってる、ユーザーへのプログラミングの解放の可能性。すげーな。ここまで考えつかないわ。あと、「一旦解禁された自由を再び禁じるのは無理ゲーに限りなく近いのだ」とか、その通りだと思う。実際、AppleApp Store運営でも、割と最初は制限を厳しくて、後から緩めるって例が幾つかあった。

 iOSの新機能の内、目立つものにAndroidの後追いが多いけど、ユーザーとしては歓迎。これらの機能は今まではApple的に優先度が高くなかった、あるいは実装されるべき時期ではなかったのだろう。例えばAndroidでは初期からアプリのバックグラウンド動作を高い自由度で許してきたが、iOSはバージョン7まではかなり制限されてきた。でも、そのために初期のAndroid端末はバッテリの保ちが非常に悪かった。Appleとしては、これらAndroidに先行された機能は、それまでのハードウェアや状況では、ユーザー体験やセキュリティを犠牲にするので、控えていたのだと思う。それが、環境が整ってきたり、正しいやり方が見えてきたので、それらを実装したのだと思う。これらの機能がiOS 8でAppleらしいテイストで実装されているのを期待してる。