松久外吉のチラ裏

主に自分の趣味についてひっそりと書きます

『たまこまーけっと』はどういう作品なのか(2013年01月30日のツイート)

 あにみたで @minhelxx さんという方が紹介されていた記事が興味深かった。


心に土足で入らない、ずけずけとしない「たまこまーけっと」特集

このあたりを、『CUT』では非常に丁寧に、情熱的に語っています。
「何より素晴らしいのは、これが単に最大公約数的なセオリーに則っただけの平面的な理想などでは決してなく、山田尚子個人の思いを突き詰めた極めてパーソナルな理想、つまり一種の思想であるということだ。あくまでいち個人の感性と視点で作品を見つめるからこそ、セオリティカルな大きな網目のふるいでは零してしまう細やかな息遣いや変化、季節の移ろいといった機微を作品に刻むことができるのだと思う」


熱いな!
でもそう、そうなのですよ。
この『たまこまーけっと』という作品は本当にジャンルわけのしようがない、できない。してもしかたない。
だって、山田尚子監督の中にある究極の、理想の場所を描いた作品なんだもの。


自分は正直、この作品を「とても面白い!」とは思えていない。もちろん、映像は素晴らしいと思うが、ストーリー的にはちょっと物足りないと感じている。なるほど、こういう微妙で繊細なものを表現する作品なのか。それなら頭を切り替えて、そういう方向で楽しんで行きたい。
自分も若かりし頃、自分の理想の世界を物語世界に描きたいと思ったことがあった(超ヘタクソなマンガで)。全然描けなかったけど。そうこうしているうちに、その欲求が自分の心の傷とか精神的な問題から来る、ある種の代償行為であるのを発見。それが分かったら、結局その気が無くなってしまった。天下の山田監督のお仕事と一緒にするな?ごもっともw。
山田監督達がどういう動機からこのような作品を作られているのか分からないが、うっかりするとただの自己満足になってしまう危険があるかも、と思う。それでも、このような切り口での作品づくりは商業テレビアニメにおいてはとてもチャレンジングだと思うので、是非頑張って欲しい。