松久外吉のチラ裏

主に自分の趣味についてひっそりと書きます

iPad mini、他Apple新製品の雑感、そしてKindle日本上陸。


iPad mini発表!
 ついに噂のiPad miniが発表された!他にMacBook Pro Retina 13インチモデルとか、iMac新モデルとか、Mac mini新モデルも出た!さらに、そして第4世代iPadも!「新しいiPad」(第3世代iPad)オーナーとしては個人的に一番悔しい。orz iPad 3はいろいろ無理してる感があるからなぁ。A5Xのダイサイズとか。iPad 4は性能が高い上に設計に余裕がありそう。まあ、iPad 3も十分良いんだけど。新iMacのエッジの細いデザインも好評みたい。実際のAppleの発表の映像は時間がなくてまだ観てないので早く観たい。あと、早くiPad miniの実機にも触りたい。どんな使い勝手になるのか。フルサイズiPadと比べてベゼルの幅が狭くなっているようだが、7インチのNexus 7よりも大きな7.9インチという画面サイズにしながら、Nexus 7のように片手で持てるようにするためじゃないか、と、個人的には予想している。なお、ベゼルの幅が狭くなってホールドする親指がディスプレイに触っても大丈夫なように、iPad miniの液晶ディスプレイは、親指の動きを識別し、誤動作を防ぐ機能が搭載されているそうな。


iPad miniに失望?スペックなんて飾りです偉い人には(ry
 でも、各所でiPad miniがガッカリされてる模様。主な理由はNexus 7と比べてスペックで劣って価格が高いことと、Retinaディスプレイ非搭載なことらしい。まあ、スペックの数字が必ずしもユーザー体験に直結するものではないことは、さんざんAppleが証明してきたけど。っていうか、限られたコストや物理的・技術的な制約の中でのバランスの取り方が、Appleと(Googleに限らず)他社とでは哲学が違っているので、時としてAppleの方が劣って見えるってだけなのだが。他社は割とCPUの周波数とかコア数とかに、ギークと同様に執着するっぽいが、Appleは実際の(大多数の非ギークな一般人向けの)ユーザー体験を鑑みて決めているのだと思う。CPUコア数がいくつであろうと、シンプルかつ簡単に気持ち良く使えることを重視している。まあ、Apple製品は発表時のネット越しの印象がパッとしなかったのにバカ売れした、なんてことは過去にも度々あったし。良質のデザインからくる快適さはスペック表には現れない。店頭で実際に手に取ったときに、初めてその魅力が分かるだろう。


Appleは安売りしない
 でも、Nexus 7がアレだから、もうちょっと安くして欲しかったな〜とは思うw。残念ながら(?)、AppleはJobs復帰以降、必ず十分な利幅を設けて、どんなにシェアが小さかろうと安売りはして来なかった。逆にJobsは「シェアが小さくても、利益を出しているうちは会社は大丈夫」という信念だったとか。「シェアが第一」のWintel時代の常識からすれば、考えられないことだった。Think Different。


iPad miniは高くない。Nexus 7Kindle Fireが安すぎるだけ!Amazon/Google焦土作戦
 ただ、表面的な(価格・仕様比とでも言うべき)コストパフォーマンスは、GoogleNexus 7や、さらには、本日、日本上陸したKindle Fire/Kindle Fire HDと比べても劣っているかもしれない。こればかりは、ハードウェア販売が主な収益源のAppleと、広告やコンテンツ配信で儲けるから端末は原価で売れるGoogleAmazonの業態の違いから来るもので、比べるのは酷と言うものだ。もちろん、消費者はそんなの知ったことではないが。もう、異業種同士がお互いの収益源を(無料攻撃で)えげつなく攻撃するという壮絶な競争になってきている。AmazonAndroidという他人の褌で相撲を取ってる割に、Kindle FireにはGoogleのコンテンツ配信の窓口であるGoogle Playを外すことで囲い込みを行っている。


各社それぞれのタブレット
 もっとも、タブレットに対する考え方は、AppleAmazon/Googleでは全く異なり、iPadKindle Fire/Nexus 7は全く別なカテゴリと言える、と思う。AppleiPadのスクリーンのアスペクト比を4:3にこだわったり、かつてJobsがタブレットのスクリーンサイズは約10インチが快適に使える最小サイズだと宣い、それに反してiPad miniが出たとは言え、今回7.9インチに踏みとどまったのも、iPadがあくまで「ポストPC」デバイスだからだ。従来のPCの代用品となる、複雑で難解な操作やメンテナンスが不要な、よりシンプルで簡単な「パソコン」として使うには、やはり4:3であまり小さくないスクリーンが必要なのだ。対して、7インチのKindleはあくまでAmazonが販売する電子コンテンツのためのコンテンツ消費デバイスでしかない。Nexus 7に関しては、多分、Googleタブレットに対するAppleほど明確な(モノとしての)思想が無いんじゃないかな?10インチNexusの噂もあるし。あくまでネットに繋がるためのツール、スマートフォンの大スクリーン版であると思ってそう。AppleiPad miniのプレゼンの時にNexus 7を引き合いに出して、「iPad miniではタブレットの使用感覚が得られる。あちらは携帯電話を引き伸ばしただけ」と言ったそうだが、これは自分がNexus 7を量販店の店頭でデモ機を触ったときの印象と一致する。9.7インチのiPadに慣れていた自分は、7インチのNexus 7を手にした時、正直、このデバイスをどう捉えようか戸惑った。画面が小さ過ぎて(ポストPCデバイスとしての)タブレットとしては使い難いと思った。ただし、まだiPad miniの実機を触ってないので、7.9インチが本当にポストPCデバイスとして正しいサイズかはわからないけど。


どうするApple
 とはいえ、かつてないほどスマートフォンタブレットの競争は激しくなっている。Google/Amazonはハードウェアの原価販売でAppleを攻撃できるが、Appleは製品の魅力以外、それほど対抗できる武器は持ってない。Googleを攻撃するにもしてもクラウドビッグデータAppleが得意ではないことはMobileMe廃止/iOS 6の地図問題で露呈したし、広告もiAdが不発だったし、Amazonを攻撃するにも、強いのはiTunes Storeの音楽くらいだし(映画も?)。やはり、AppleiPad miniをリリースした理由って、「ライバルをかわす必要に迫られている」からなんだろう。頑張ってユーザー体験を損ねないようにデザインしたとは言え、「ポストPCデバイスとして最適な10インチクラス」を逸脱して、小型廉価版を作るのに他に理由が思い浮かばない。Appleの収益源であるハードウェアを攻撃してGoogleAmazonが攻め入ってくるほど激化した市場。製品カテゴリにも寿命があり、いずれ製品改良の余地は少なくなり、ライバルはAppleに追いつく十分な時間を稼ぐことになる。遠くない将来、スマートフォンタブレットレッドオーシャンになりそうだ。そろそろAppleには、次の破壊的イノベーションを起こして、新しいブルーオーシャンを見つけ出して欲しいところ。それこそApple最大の武器だったはずだ。