松久外吉のチラ裏

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iPhone 5 発表と最近のApple、雑感

 iPhone 5 が発表された。世の中では大画面スマートフォンが人気みたいで、iPhone 5もその流れに従った感じ。ただし、「片手で操作できる」ことをキープするために、幅はそのまま。ほぼ事前に流出した情報通りだし順当な進化なので、驚きは無し。
 Appleのパワーは、革新的アイディア以上に、やるべきことをやる実行力にある。その実行力は、破壊的イノベーションを起こすような革新的な製品のときは、アイディアをあまり劣化させること無く製品として実現させる(荒削りだったりはするけど)。今回のiPhone 5は持続的イノベーションとして、地味でも必要なことを着実にブラッシュアップしてるんじゃないかと思う。
 ただ、今回のiPhone 5のダダ漏れとも言える情報流出や幹部レベルの人材流出(Appleで人材の流出相次ぐ - 今度はiPhone/iPodエンジニアリング担当VPら)は何なのだろう。はたして、意図的に情報統制を緩めたのだろうか。意図的に人材を入れ替えたのだろうか。意図していないとしたら、Tim CookがAppleをコントロールできなくなっていて、Jobs亡きAppleの終わりの始まりかもしれない。逆にAppleに好意的に妄想してみるならば、例えば、今更大したサプライズにはならないバージョンアップのみのiPhoneのための情報統制の優先度は低く、そのために従業員や関係者をガチガチに締め上げるのは得策じゃないと判断したとか、あるいはiTVなど(破壊的イノベーションを起こすような)重要なプロダクトの情報を隠すための囮にしているかも?
 Jobs亡き後、徐々にAppleは変化してきているようだ(ジョブズ氏からクック氏へ、CEO交代から1年--アップルで何が変わったか?)。AppleAppleであるためには、変化することを恐れてはいけない。JobsはCookに、Jobsだったらどうするか、ではなく、正しいと思うことをしろ、と言ったそうで。余人にはマネのできないJobsウェイ。Cookが(できもしないのに)Jobsとまったく同じやり方をするのではなく、Cookなりの別のやり方を行うのはある意味当然かも。Apple社内も今までの恐怖政治的雰囲気が変わりつつあるとか(アップルという名の普通の会社)。でも、もしそれが、製品やユーザー体験の妥協に繋がるなら、やはり、終わりの始まりかもしれない。
 果たして、これまでの変化が意図したものなのか、意図してどの方向へ向かって行こうとしているのか、次の「破壊的イノベーション」を起こせるのか、それはいつなのか。Apple信者としては心配だ。
 …と、何のかんの言いながら、iPhone 5は人柱の様子を見てから買うけど。4Sはお布施してないし。