よく、iPhoneとAndroidの競争をMac対Windowsに当てはめて、すぐにAndroidが圧勝してしまうと予想する人がいるけど、今回はそう単純ではないと思う。それはWindowsの成功体験という常識に縛られた考えだ。そして、いくつかの常識を覆してきたのがJobs復帰後のApple。
何よりも、Mac対Windowsの時と異なるのは、Macの時はJobsが不在だったが、今のAppleにはJobsがいる。Jobsが現役の間は、Androidは苦労させられるだろう。もちろん、Jobsが引退でもすれば、Appleは徐々に輝きを失うと思われるけど。
また、iPhoneはまだ一部の国を除いて、携帯電話キャリアを1社に絞っている。これはおそらく、現在では当たり前になっているスマートフォンのビジネスモデルが、初代iPhoneリリース時には影も形も無かった訳で、キャリア1社独占販売というやり方は、Appleが想い描くiPhoneの在り方をキャリアに承諾させるためのエサだったと想像する。iPhoneが前例という形で、そういう地ならしをしてくれたことは、Androidにとって実にラッキーなことだったと思う。で、この1社独占が、現在iPhoneの足かせになっている。最近のVerizon向けCDMA対応iPhoneの噂を考えると、Appleはキャリア1社独占の戦略をそろそろ終了させて、マルチキャリアにしようとしているように思える。そうなるとキャリアを理由に二の足を踏んでいた消費者にも売れて、iPhoneの売れ行きが再び加速するだろう。
もちろん、長期的に見たら、いずれはJobsもAppleを去るだろうから、Androidがシェアにおいて勝つことにはなると思うが、近い将来においてMac対WindowsのようにAndroidが圧勝するかどうかは疑問だ。
まあ、Appleにとって大事なのはどんな製品を作るかであって、シェアは二の次なんだけどね。